痛みは悪なのだろうか?
2023.12.28更新
我々人間の体は、皮膚・筋肉・骨・内臓・神経・脳などさまざまな組織がお互いに関連しあって体を健康な状態に保とうとしています。
ですから、一部が損なわれると他の部分がそこを修復しようと助け合ったり、補い合っています。
動く時も、脳が筋肉や関節を制御し、自律神経が心拍や血流を管理したりします。
自転車のようにペダルを漕いだらタイヤが回って前に進むという単純なものではありません。
例えば背骨の関節の一部の筋肉がサボってしまったり、過剰に働きすぎると他の関節や筋肉系の関係性が悪くなり、結果として背骨や歪みや痛みが起こるのです。
では、サボってしまったり、過剰に働く原因はなんでしょう?
それは脳・神経系と体との関係性です。
司令塔である脳・神経系と筋肉系の関係性が良くなれば筋肉の緊張が緩み、関節が落ち着くところに落ち着いて動きもスムーズになり、バランスのとれた姿勢になります。
また内臓が痛いと筋肉がこわばります。
学校や仕事に行きたくないと思った時にはお腹が痛くなったりもします。
痛みとはいろいろな条件が加わり、それぞれの関係性で起こってくるのです。
さらには、脳には記憶装置もありますから、繰り返しの刺激で脳は記憶し、特定の条件のスイッチが入ると刺激がなくても痛みを感じるようになってしまいます。
それがいわゆる慢性化で『痛みのクセ』とも言います。
では痛みは悪なのでしょうか?
痛みはあくまでも信号です。
道路の信号機の赤は悪でしょうか?
赤信号がなければ誰もが止まらず、走り続ければ交通事故に遭ってしまうでしょう。
痛みを感じないと、刺激に対して脳は体を守るための反応を起こしません。
熱いものに触れても身体をひっこめず、さらには傷ついても動き続けるでしょう。
悪いのは痛みではなく、間違った記憶の誤作動による過剰な痛みなのです。
痛みを敵と思わず、痛みが何を教えてくれているのかを知ることも大切かもしれません。
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